相次ぐ「要請」に断固反対する(2015.4.17 呉 裕麻会員)
安倍政権は、報道機関に公平中立、公正な報道を何度も要請し、国立大学には国旗の掲揚、国歌の斉唱を要請することを検討している。
報道機関は、憲法21条で保障された表現の自由に基づき、国民に必要な情報をあまねく知らせる重要な役割を担っている。時の政権に対する批判的報道も、表現の自由として最大限保障される。
大学は、憲法23条で保障される学問の自由の実践の場として、制度的保障としての大学の自治が保障されている。これは、真理探究の場としての大学の自治を尊重することで学問の自由を最大限保障することが目的であり、学問が、時の権力者からの干渉や弾圧にさらされてきた歴史的教訓に基づく。
表現の自由も、学問の自由もいずれも民主的な社会の実現にとって欠くことのできない極めて重要な人権である。
しかし、それらが、時の権力者に過ぎない安倍政権の「要請」という名の下に、静かに静かに弾圧されつつある。
憲法で保障された人権は、国民が国家に抵抗するための最大の武器である。私たちは、この武器を失わないために今まさに戦うべき時である。
安倍政権による報道機関や国立大学への「要請」に断固として反対の意を表する。