フランス同時テロを考える(2015.12.18 呉 裕麻会員)
2015年11月13日、フランスで同時テロが起きました。サッカー場ほかで、少なくとも130人が死亡したとのことです。また、ISによる犯行声明もウェブサイトに公開され、テロがISによるものであることは間違いないとされています。
ところで、フランスでは、風刺週刊誌を発行しているシャルリー・エブド社に対する襲撃事件が今年の1月に起きたばかりでした。
このような過激なテロ行為について、断固許せないとの思いはその通りだと思います。
ただしかし、テロに対する「報復」を考える前に、私たちは改めて考えるべきではないでしょうか。どうしてテロが起きたのか。また、どうしたらテロの無い世界が構築できるのかを。
特に、戦争の放棄を憲法で謳う日本こそ、今回のようなテロや報復の応酬に対処すべき立場にあるのではないでしょうか。
事件後、約80%の国民が「日本でも今回のようなテロの可能性がある」と感じているとのアンケート結果が示されました。平和国家である日本、平和憲法を堅持している日本であれば、本来、今回のようなテロの脅威にさらされることなどないはずであるにも関わらず、どうしてこのように多くの国民がテロの脅威を感じることとなったのでしょうか。
そこには、昨今の安倍政権による安保法制定や、憲法改正への動き、そして世界でテロが起きた際の安倍首相の発言や態度にあるように感じます。
私は、世界のいかなる場所においても、テロや戦争により、どんな犠牲が出ることも望みません。